アメリカ鉄道巡りG

バージニア交通博物館
Virginia Museum of Transportation

 


 

 

 

場所:バージニア州ロアノーク

アクセス:アーリントンからは車で3時間程度

 

バージニア南西部、シェナンドア渓谷に位置するロアノーク市は、インターステート・ハイウェイ81号線沿線にある州内の都市としては最も大きく、ジョージア、テネシーから81号線を使ってニューヨーク州、カナダへ抜けるドライバーが、バージニア州内で一息つくとしたら最初のポイントになる。ロアノーク自体盆地の中にある緑に囲まれた美しい町だ。退職したお年寄りが老後の余生を過ごすのに最も適した町として、全米に知られているそうだ。

 

さて、このロアノークにある「バージニア交通博物館」は、大陸間横断鉄道J611号蒸気機関車の誕生の地である。J611を始めとして「全部で40両もの機関車や貨車が展示されている」(「旅名人ブックス・米国バージニア州〜建国史の舞台を歩く」日経BP)と言われている他、初期の自動車やバス、トロリーなど交通機関の発展の歴史を知ることができる。博物館の中には、お決まりアイテムのミニチュア・トレインの展示や、期間限定の特別展示もある。僕達が訪問した2002年10月には、映画「タイタニック」のヒロインだったケイト・ウィンスレットが映画の中で着ていた衣装が展示されていた。ケイト・ウィンスレットはこの地方の出身らしい。

 

とはいえ、ここの目玉はなんといってもJ611蒸気機関車だろう。高く伸びる煙突はなく、拳銃の弾丸を連想させるそのフォルムは、アメリカの蒸気機関車の中でもとりわけ美しい。J611が現役で走っていたのは1960年代らしいので、今ここの博物館に展示されているJ611は、改装済みのピカピカボディとなっているけれど、今も線路上で見れるわけではない。でも、ギフト・ショップを訪れると、J611が現役で走り回っていた頃の写真がポスターとして販売されている他、写真集もかなりの種類が出ていることがわかる。最近、鉄道博物館のギフト・ショップはどこに行っても中身は同じなのではないかと疑問を抱くことが多くなってきたが、ことロアノークに関しては「J611」という絶対的な売りがあるので非常に強い。特徴のある品揃えである。

 

だが、肝心の「J611」、僕達は実際に見ることができなかった。丁度、博物館自体が改装工事中で、屋外のレール上に配置されている列車には近づくことができなかったのだ。ロアノークに来て「J611」を見ることができなかったことは非常に残念でならない。

 

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