アメリカ鉄道巡りB

Lincoln Train Museum

 

リンカーン列車博物館

 

 


場所:ペンシルベニア州ゲティスバーグ

アクセス:アーリントンからは車で2時間程度

 

2002年8月初旬、日本からのお客様を連れてペンシルベニア州南部をドライブした。途中ゲティスバーグで一泊した。ゲティスバーグといえば、1863年7月に戦われた南北戦争最大の激戦地であり、南北戦争ゆかりの博物館がいっぱいある。古戦場跡も車でまわることができる。ゲティスバーグは、リンカーン大統領の「人民の人民による人民のための政府」という演説で知られる土地でもある。

 

そんなゲティスバーグの、それも古戦場跡からまっすぐ北にのびて市街地に入った道路わきに、「リンカーン列車博物館」がある。名前からも想像できる通りで、リンカーン大統領が南北戦争終結後に当地で演説を行なう直前、ゲティスバーグに向かう列車の中で行なわれた側近との会話を再現した映画が上映されている。建物脇に乗務員車が置かれているからといって、決して鉄道博物館とはいえない。玄関を入ると、そこは日本の観光地にもありがちなお土産物売り場があり、そこでチケット(他の鉄道博物館と比べてあまり安いとは言えない)を買って改札口を抜けると、そこには、これもどんな田舎の鉄道博物館にもありがちな、模型列車の展示室があって、模型列車を走らせている。そこには、非常に聴き取りにくい英語を話す車掌役のおじいちゃんがいて、「どこから来たのか」と、展示室に入って来た観光客にいつも尋ねる。

 

この車掌おじいちゃんは、展示室内の観光客がある程度揃ったところを見計らって、リンカーン大統領を乗せた列車の出発の合図をする。展示室の片隅に、客車を改造した映画館があり、客が座席に座るとさっそく出発、ワシントン(ひょっとしたらフィラデルフィアかも)からゲティスバーグまでの線路を辿りつつ、大統領と側近の会話が展開する。残念ながら自分の英語力ではあまりよく聴き取れない。実際にリンカーン大統領がゲティスバーグ演説を行なっているシーンまで放映してくれたら良かったのだが、駅に到着して演説を草稿した後、民衆の前で手を振るシーンでおしまいだった。

 

ゲティスバーグには南北戦争ゆかりの史料館、博物館がいっぱいある。このリンカーン列車博物館は、その中でも非常に目立つ建物なので、多くの観光客がついつい足を運ぶ。ただ、訪問は1回で十分! ゲティスバーグにまた訪れる機会があったら、他の博物館を訪ねる方がいいと思った。

 

リンカーン列車博物館のウェブサイトはこちら