アメリカ鉄道巡りE

ボルチモア&オハイオ鉄道博物館
B&O Railroad Museum

 

 

 

 


場所:メリーランド州ボルチモア

アクセス:アーリントンからは車で1時間程度

 

ボルチモア&オハイオ鉄道博物館は、「地球の歩き方」でも紹介されているボルチモア観光の目玉の1つである。「地球の歩き方」からそのまま引用させてもらう。

 

アメリカ鉄道発祥の地はここボルチモア。アメリカ最古の鉄道駅マウント・クレア駅に、1828年の鉄道開業を記念した博物館が建った。実際に稼動していた蒸気機関車をはじめとして、鉄道マニアなら歓喜せずにはいられない鉄道に関する歴史的記念物が、120車両以上ラウンドハウスと呼ばれる円形機関車庫などに並んでいる。馬車のような車体を引いた列車、石炭で動く蒸気機関車などは機関車(英語で別名Iron Horseという)の全盛期にタイムスリップしたようだ。博物館の自慢は、ピーター・クーパー製のアメリカの蒸気機関車トム・サム号(親指トム)The Tom Thumbの複製。1836年製のグラスホッパー号Grasshopper(シリンダーが芝を踏むような姿であることからこの名がついた)、フォーティ・アンド・エイトForty & Eightの有蓋貨車など、いまや稀少となった貨車も並んでいる。

 

 ここの屋根つきラウンドハウス(転車台)を取り囲む機関車は、年代順に配置されており、ボルチモアから鉄道が内陸部に伸び、丘陵や山岳地帯を走る必要が生じるにつれ、馬力や左右の安定性等が求められていった経過がわかるようになっている。非常にわかりやすい配置で、子連れでゆっくりと展示物を見られない世の中のパパとママも、効率的に展示物を見ることができる。はしゃいで走り回る子供達を見失っても、転車台の中心に行けば360度見回すことができる。ラウンドハウス内には、少ないながらも模型列車も展示されている。

 

 一歩ラウンドハウスから外に出ると、ピクニック弁当を広げて昼食を食べられるベンチに、軽食を提供できるスタンドが設置されている。ここは、ペンシルベニア鉄道博物館同様、年2回「機関車トーマスと外に繰り出そう(A Day Out with Thomas)」というイベントが開催される時、トーマスのオモチャを販売するテントが幾つも立ち並ぶ広大な広場となる。そしてその広場の周囲には、ラウンドハウスに入りきれずに屋外に展示されている蒸気機関車やディーゼル機関車、貨車、乗務員車などが結構無造作に置かれている。

 

 ラウンドハウスに隣接して、駅舎を改装した史料展示棟がある。少し前まではここの展示をきちんと読むと、ボルチモア鉄道がオハイオまで伸びて水運にとって換わっていく過程、そしてトラック輸送の発達とともに鉄道輸送が衰退してゆく過程がよくわかるようになっていたが、残念なことに最近行なわれたリノベーションでそれらの解説が全て取り外されて、展示が味気ないものになってしまった。この建物の中には、お土産物売り場や、どこでもありがちながら模型列車を走らせる展示室が配置されている。

 

 僕は、初めてこの博物館を訪問してから、非常に短い期間に3回も訪れる機会があった。これからも何度か訪れるだろうという予感もあった。だからファミリー館友会員になった。お陰で1年間に何度訪れても入館料はタダ、お土産物売り場では全ての品を10%引きで購入でき、ボルチモア・オリオールズの試合も、開催日によっては割引でチケット購入できる特権を得ている。子供達は何度訪れてもここの施設には喜んで走り回るので、ピクニック感覚で何度でも連れて来れる。オリオールズの試合開始前の時間調整で軽い気持ちで訪ねることもできる。

 

《お断り》ご紹介したボルチモア&オハイオ鉄道博物館は、2003年2月16日から17日にかけて当地を襲った記録的大雪のため、ラウンドハウスの屋根の南側半分が雪の重みで壊れ、中に展示されていた蒸気機関車にも重大な損害が発生したため、以後休館中です。関係者は現在復旧に向けて必死の努力を行なっておられるところですが、再開は2004年にずれ込む見込みとのことです。このコラムを読んで訪問を考えておられる方はお気をつけ下さい。また、ボルチモア・オリオールズの試合とか、インナー・ハーバーの観光とかでボルチモアを訪問される方は、是非、鉄道博物館復旧に向けた資金支援にご協力下さい。

 

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